川崎市麻生区の地域情報紙「メディ・あさお」です
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メディ・あさお177号(2016年8月25日発行)

【あさおヒューマン】多摩緑地保全地区『こもれびの会』リーダー・加藤敬治さん〈終了〉

見上げればまっすぐに伸びた竹の緑。木漏れ日の中、風が吹き渡ります。手入れされた里山は、隣接する住宅地とは、別世界。さわやかな空気を胸いっぱい吸い込んで、生き返ったような気持ちがしました。

ここは、散歩コースとして人気の多摩自然遊歩道を読売ランド前駅のほうから歩いていった右側、多摩緑地保全地区にある、「こもれびの森」。20年前には、市が管理しきれず、荒れた藪だったところを、加藤さんがリーダーを務める「こもれびの会」が保全活動を進めてきました。その活動は、「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰ほか、これまでに何度も表彰されてきました。
山形の農家に生まれ、子どもの頃から「山を駆け回っていた」という加藤さん。冬は木を切って薪にするなど、山は生活と共にあったといいます。
自然を守る使命感というより、「こういう環境が好きだし、やってみようか」という感じで始めた活動と、こともなげにおっしゃいます。
東京都多摩市の先駆的な里山保全活動団体での経験を経て、麻生区での活動を始めた加藤さん。仲間が次第に集まってきて、会を設立、1999年に市内4番めのボランティア団体として登録することに。 毎月第2・3日曜午前中は、下草を刈り、6〜7メートルある竹を1本1本切っていくという地道な作業の繰り返し。当日の作業目標を示し「何がなんでもここまで終わらせましょう」というので「リーダーはきつい」と言われることもあると笑う加藤さん。そうはいっても基本は、楽しんで参加してもらうこと。毎月1回は緑の中で食事会を開きます。
楽しい食事の場所は、最も風がこない場所を加藤さんが探して決めたとか。テーブルや椅子はもちろん、かまどや水の設備、道具をしまっておく小屋まで全部自分たちで手作りしたという完成度の高さには驚くばかり。建設関係や大工さん、園芸関係者などプロの人もメンバーにいたことが大きかったそうです。
子どもたちが小学生の頃には「秋冬に休眠状態だった落葉樹が、春先に水を吸い上げる音を木に耳をつけて聴かせた」という加藤さん。こんなに楽しそうな活動だから、てっきり家族総出で続けているのだと思ったら「子どもたちは興味ないし、女房も山に入るのは嫌い」。「違うことをやってるから話ができる」とのこと。夫婦それぞれ外出が多いけれど、家にはしょっちゅう人が訪れるという加藤家。人をひきつける何かがあるようです。
こもれびの会としては「考えていたものの90%は作り上げた」とのこと。はからずも会は有名になってしまっているけれど、今後も会費無料で、「子どもたちの学習の場、地域住民の憩いの場を保ちたい」という気持ちひとつで活動を継続していきたいとのことでした。問い合わせ電話044─944─1910加藤さん。

(2016年8月25日発行)

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タブロイド版全8ページ、発行部数は約7万部。
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