川崎市麻生区の地域情報紙「メディ・あさお」です
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メディ・あさお214号(2019年9月25日発行)

【あさおヒューマン】かないばら苑苑長・依田明子さん

これからの時代、ますます重要性が増してくる福祉や介護の世界。片平にある特別養護老人ホーム金井原苑(かないばら苑)の苑長、依田明子さんを訪ねました。
1958(昭和33)年生まれで、「柿生地区社会福祉協議会と同い年なんです」という依田さんは、東京出身。中学からは横浜市に住む「ハマッ子」に。大学卒業後は別の大学の生協に勤めた後、1989年に福祉の専門学校に入り直し、さらに「福祉の東大」と呼ばれる日本社会事業大学で社会福祉士の資格を取得しました。
1989年はちょうど国が高齢者福祉のための10カ年計画を定めた年で、福祉に関する意識変革が急速に進んでいました。「障害のある人も普通に暮らせるように、というノーマライゼーションの考えが出てきたのもこのころ。朝日新聞なんか、ずいぶんキャンペーンを張っていましたよ」と依田さんは振り返ります。
しかし、カルチャーセンターの講座に仲間と通っていたら「君たちは福祉の勉強をしているのになんでそんなに明るいの」と言われたこともあるといい、当時の福祉に対するイメージの一端がうかがえます。
卒業後はそのカルチャーセンターに新設された福祉サービス室に就職。介護セミナーや全国の福祉の現場を取材するなどの活動をしているうちに「自分も現場で働きたくなって」、金井原苑の職員になったのは1996年のことでした。
当時の片平について、依田さんは「今でこそほどよく開発されていますけど、来た当初は田舎に来たなーと思いましたよ」と苦笑い。その後、一時苑を離れたこともありましたが2001年に復帰し、2006年には現場での経験を買われて苑長に就任し今にいたっています。
「合理性、効率性を求めるビジネスの論理で見ると、社会福祉というのは欠点があるように見えるかもしれない。けれど、合理性や効率性で考えたらここはカットしよう、ここには手を出さないよね、というところにも福祉の手は伸びている。それはなぜか、ということを体感してほしいんです」と話す依田さん。そのため金井原苑ではボランティアの募集を積極的に行っており、今では年間のべ4千人がボランティアに参加しています。
ボランティアの効能は「入所者が地域に支えられていると実感し、生きる力にもなる」というだけではありません。「ボランティア経験があると、いざ家族が倒れたりした時に、良いサービスと悪いサービスが見抜けるようになります」。
また、昭和音楽大学と連携して音楽療法の臨床実習施設になったり、夏祭りや秋祭りを行ったり(3面広告参照)という活動も、苑のことを地域の人に広く知ってもらいたいという思いで行われているイベント。依田さんは、「地域の施設とはぜひ付き合いを持って、福祉の文化を知ってほしい」、そう考えています。

(2019年9月25日号掲載)

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